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麹とは?

意外と知らない「麹」。そもそも「麹」とは??

 

「日本人の発酵文化の土台」

麹は、平安時代から作られてきた、日本人にとって最も身近な発酵食品です。
麹そのものの姿としては食卓ではほとんど見かけることは無くなってしまいましたが、味噌・醤油・酢やみりんといった調味料から、甘酒や日本酒などの飲料まで、思い浮かぶ日本の発酵食品の、その多くに麹が関わっています。

麹は、日本に根付いた‘‘発酵文化 ‘‘の中心であり、またその文化の土台であり続けてきました。


「日本の国菌」

桜が国花であり、雉が国鳥と言われるように、日本の国菌は「麹菌」です。
日本の食文化を支える存在である麹菌は、実に他種の日本の発酵食品に、たとえば日本料理の基本「さしすせそ」のうち、さ=砂糖以外の4つすべて(塩、酢、醤油、味噌)に含まれているといわれてみると、新鮮な驚きがあります。

「麹の定義」

麹とは、菌の名称であり、麹菌を生やしたものをすべて麹と呼びます。
「こうじ」には「麹」と「糀」の2種類の表記があり、「糀」は麹菌を米につけたもの、「麹」は麹菌を米以外につけた」ものを指します。

 

「製法」

麹の製法は地域や歴史で様々です。同じ米麹のつくりでも、味噌の麹と日本酒の麹では作り方が異なりますし、黒麹はまた違う作り方がありますし、醤油の麹に至ってはかなり特殊な製法です。
様々な麹づくりがありますが、全てに共通しているのは「手作りの麹・麹屋は減ってきている」ということです。
麹づくりは、実は機械で大量生産する方が品質が安定し、また、コストも小さくすることができます。麹の機械である製麹機の研究がすすみ、高品質が保てるようになってきています。

それでも、街の麹屋、手作りの麹にしか果たせない役割があると思っています。生産者の見える、作り手の見える麹が求められる時があると信じています。

おかしなこうじやは、街の麹屋として手作りの麹づくりを行います。

「種菌について」

麹は米を蒸すだけでは出来上がりません。必要なのが、麹の菌たちの力です。
種菌となる麹菌の胞子を振りかけることで、麹菌たちは成長をはじめます。

その種菌を専門で扱うのが種麹屋さんです。もやし屋と呼ばれることもあります。
おかしなこうじやでは、その専門の種麹屋さんから麹菌を仕入れ、使用しています。

主に使うのは「ひかみ7号」という麹菌。これは丹波市(旧氷上郡)にかつて存在した種麹屋さんに代々受け継がれていた麹菌で、その菌を受け継いだもやし屋さんから、その菌を購入させていただいています。

「麹の味」

これは意外かもしれませんが、元々、一般的な麹にはそれほどしっかりとした味があるわけではありません。それもそのはず。世の中の殆どの麹はそのまま食べることを想定して作られていません。

でも、「おかしなこうじや」では「そのまま食べておいしい」麹を造っています。食卓に並ぶ料理にしっかり残る「栗のような穏やかな甘味」、「やわらかさ」の風味は「おかしなこうじや」の魅力です。

 

「どうやって食べたらいいの?」

まずは、塩麹や醤油麹を。
ぜひ体験していただきたいのは、たとえば醤油麹+同量の柑橘(ゆずなど)果汁。とても簡単で、未体験の絶品調味料が出来上がります。

 

「幼児にも食べられる?」

「おかしなこうじや」の麹は、1〜2歳から召し上がっていただけます。

 

「麹は日本だけのもの?」

現在は、ほとんどが日本のものといえるかなと思います。

日本の麹菌(ニホンコウジカビ)というのは変わった菌で、日本国外ではあまり見かけることのないカビだそうです。一方、泡盛や焼酎などで使われる黒麹、白麹と呼ばれるものは中国でもプーアル茶など、活用がされています。

麹の技術は平安~室町あたりのどこかのタイミングで中国から渡ってきたものだろうと考えられますが、詳しくはわかっていません。

現在では海外でも作られることが増えてきて、世界的にも注目を集めつつあります。

これから先の未来の麹は、きっと日本だけのものではなくなるだろうと思います。

 

「麹は生きていないとダメ?」

麹菌は弱い菌です。腸まで届く…ということはありえません。
そのため、生きた麹菌を摂るということにはそれほどメリットがないと思います。しかし、生きているかどうかに関わらず、麹菌の菌体を摂ることは身体に良いのでは?とした研究が今も進められています。

「カラダに良い?」

まだまだこれからの研究対象分野でもありますが、日本食が世界的に健康に良いとされる理由のひとつに、発酵食=麹を使った料理を多く含むことがあげられます。

2005年ごろ、全ゲノム検査の結果、麹菌がDNA的に毒を産まないことによる安全性が証明され、麹の世界的な評価が確立しました。

麹をはじめ、本来的にわたしたちの滋養となり、生を支える食材を日々摂取し、そのことに満足を感じる身体と生活習慣を手に入れることが、麹を健康のために生活に取り入れることの本質だといえます。